ひとつだけの花


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  ようやく 春





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毎日続ける雨、冷たい風にどんより鉛色の空。

誰だって、終いには無口になってしまうようなお天気。

ぶり返しては、なかなか治らない子供達の風邪。

夜の授乳に何度も起こされ、夢のような浅い眠りばかりの日々。

心が枯れ葉みたいにガサガサと音を立てて、口から出る言葉はザラザラと砂利みたい。
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ママも疲れたよ.. と、泣いているアンに私も泣きそうになりながら言ってみる。

寝静まってから、独りの夜。Beは今夜は友達のところ。

紅茶をいれようと缶を開けると、中にはm&mのチョコレートの袋と、Beからのメモが入っていた。

「おつかれさま! これを食べてリラックスしてね」 

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携帯でお礼と 「もしアールグレイの方を飲んでいたら、この缶は開けなかったよ」とメッセージを送ると、

「アールグレイの缶も開けてごらん」との返事。

言われた通りに開けてみると、こちらにもメモが入っていた。

「もうひとつの紅茶の缶を開けてね」と。

「You deserve it!」 と書いてあったけど、どうかな..私は deserve するに値するかな..と、正直疑問が過る。

でも、人生も、この瞬間も、こういうものかもしれないな。

どちらの缶を開けても、結局 同じこと。

手に入るもの、なんていうのは、「もし」なんていう想定からは絶対にあり得なくて、
どの缶を開けても、どこを探しても、ひとつしかない。

ただ開けられる時をじっと待っているだけで、
それをいつ自分が手にするか、もしくはしないか.. それだけかもしれない。


疲れた心がふわりと救われた、小さな夜の出来事だった。



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by annebm | 2010-04-09 07:11 | ノートブック
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