今年のイギリスの夏は、線香花火のようでした。 かーっと暑くなって、一瞬にして燃え尽きてしまいました。 ふと気がつくと、辺りはすっかり秋。 よくアンと散歩する公園の木々も夏の濃い緑から黄色に変わってきていています。 足元を見ると、地面も落ち葉模様。 秋も好きな季節ですが、夏の終わりはやっぱり淋しいものです。 今年は残暑のないイギリスですが、毎年夏の終わり、ある日突然秋のはじまりを確認する朝が来ます。 朝習慣としてミルクティーを必ず一杯飲む私ですが、その紅茶の風味が突然変化する日があって、「秋が来たな」と実感します。 多分温度や空気の香り、朝日の光の具合などが理由だと思うのですが、紅茶の味がぐんとおいしくなるのです。涼しいから熱いお茶がただおいしく感じられるだけではなくて、自分のお茶の入れ方から湯気から色合いまでが季節の変わり目を知らせてくれるような、そんな気がします。 そして秋には普通のダージリンやイングリッシュブレックファーストティーから離れて、むしょうにアールグレイのミルクティーが飲みたくなります。 それとバターたっぷりの素朴なスコティッシュビスケットで、秋の朝のおやつ。(もちろん午後にもおやつはあります^^) もう一つ、私の中で秋を確認するものが、宮本輝の「ドナウの旅人」。 宮本輝が書いたものはこれしか読んだことがないのですが、なぜか毎年秋になると必ず読みたくなる小説です。そしてどこか旅に行きたくなります。 これを読まないと私の秋ははじまらず、終わらない。もう毎年の習慣です。 去年の今頃アンがお腹の中にいて、「来年の秋またこの本を開く日、どんな生活をしているのかな」なんて想像していました。 アンも今月で10ヶ月。私の日々は慌しく過ぎていっています。 紅茶片手に本を読む・・・今では夜だけのお楽しみ。でも自分の時間が少ない今、夜にやりたいことがたくさんあり過ぎて困ってしまいます。 今年はこの本を開くことのないまま、秋が過ぎていってしまうような予感がします。 以前にもお茶のことを少し書きましたが、イギリスの一般家庭ではティーバッグが主流です。 もちろんリーフ茶はおいしいですが、普段おうちで簡単に飲むお茶はティーバッグ。 フェア・トレードを地味にサポートしている私は、Clipperのオーガニックアールグレイがお気に入りです。 このメーカーは日本ではあまり見ないかもしれません。 年中家に常備してあるハーブ茶は、ミントとカモミール。 色々なメーカーのものを試していますが、Dr Stuart'sのものが一番好きです。 前はこのミントティーのような黒いパッケージだったのですが、最近デザインが変わりました。 ストレス退散にカモミール茶、というような、イラストがかわいいです^^
by annebm
| 2006-09-02 04:43
| デイリーライフ
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