冬時間。

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11月に入った途端、冬の匂いがします。
雲一つない真っ青の空、冷たくて澄んだ空気、吐く息の白さ。
深呼吸すると気持ちがすきっとします。
昨日Beが早々とミンスパイ(mince pie)を買ってきました。
お店にこれが出始めると、今年もクリスマスがやってくるのだなとわくわくします。
11月にもう食べてしまうのはルール違反!(我が家では)なのですが、今年はどうしても我慢ができなかったそう。
ブランデーやスパイスがたっぷりきいたドライフルーツやアーモンドなどを、さくさくのペイストリーで包んだクリスマスのお菓子。「ミンス」の名から来ているように、昔はミンチ肉が詰め物だったとか。f0037112_4493330.jpg
私はイギリスのクリスマスにいただく、濃厚で香り高いお菓子が大好きです。イギリスのクリスマスケーキとプディングもミンスパイと同じ系統のお菓子です。
ここ数年義母はケーキとプディングを11月頃から仕込んでいたのですが、これが絶品。アルコールがきいたものなので、長く保存すればするほどおいしくなる。
残念ながら今年は家や仕事で忙しい彼女は、作る予定はないみたいです。やっぱり手作りのものは、手が込んでいるだけお店で売っているものと大違い。
私もいつかクリスマス前に自分でケーキとプディングをこしらえたいな。
今年は一番簡単なミンスパイに挑戦してみようと思ってはいますが、どうだろう。
引っ越しなどで落ち着かない12月になりそうな予感。
まずはその前にたくさん食べて、考えてみることにします。



ー わたくしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石入りのきものに、かわっているのをたびたびみました。
.....(略)..... これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。ほんとうに、かしわばやしの青い夕がたを、ひとりで通りかかったり、十一月の山の風のなかに、ふるえながら立ったりしますと、もうどうしてもこんな気がしてならないのです。ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、わたくしはそのとおり書いたまでです。ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでしょうし、ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。ー (「注文の多い料理店」序)
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引っ越しにむけて今度は本の整理の最中なのですが、高校時代の新倫理の教科書がでてきました。なんでこんなのをイギリスまで持ってきたのかわかりませんが、読み始めると面白くてやめられなくなってしまいました。
その中で特に目をひいた、宮沢賢治の世界。この文章がすっと胸に染み渡りました。
冬は特にノスタルジック。夕方の空は、早くおうちに帰ろうかな、と思わせます。
大きな口をあけたワニの形の雲を、窓からアンと二人で眺めました。
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by annebm | 2006-11-03 05:18 | ノートブック
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